令和6年度賃上げ促進税制【大企業】①
今回は賃上げ税制(大企業)について、令和6年度改正前後の比較①を行います。
1.令和6年3月31日までに開始する事業年度(改正前)
①通常要件
1)要件
継続雇用者給与等支給額が、前事業年度より3%以上増えていること
※資本金10億円以上かつ従業員数1,000人以上の企業については、上記の要件に加え、マルチステークホルダー方針を公表していることが必要
※継続雇用者とは簡単にいうと前期と当期の全期間在籍している従業員です。
2)税額控除
控除対象雇用者給与等支給増加額の15%を法人税額から控除
※控除対象雇用者給与等支給増加額とは簡単にいうと、前期から当期にかけて増加した給与額です。
②上乗せ要件1
1)要件
継続雇用者給与等支給額が、前事業年度より4%以上増えていること
2)税額控除
税額控除率を10%上乗せ
2.令和6年4月1日以後に開始する事業年度(改正後)
①通常要件1
1)要件
継続雇用者給与等支給額が、前年度と比べて3%以上増加していること
※資本金10億円以上かつ従業員数1,000人以上の企業又は従業員数2,000人超の企業については、上記の要件に加え、マルチステークホルダー方針を公表していることが必要(以下②~④で同じ)
2)税額控除
控除対象雇用者給与等支給増加額の10%を法人税額から控除
②通常要件2
1)要件
継続雇用者給与等支給額が、前事業年度より4%以上増えていること
2)税額控除
控除対象雇用者給与等支給増加額の15%を法人税額から控除
③通常要件3
1)要件
継続雇用者給与等支給額が、前事業年度より5%以上増えていること
2)税額控除
控除対象雇用者給与等支給増加額の20%を法人税額から控除
④通常要件4
1)要件
継続雇用者給与等支給額が、前事業年度より7%以上増えていること
2)税額控除
控除対象雇用者給与等支給増加額の25%を法人税額から控除
給与の増加割合に応じて税額控除割合が増えていくようによりインセンティブがはたらく税制となりました。
次回、その他の上乗せ要件について確認します。